Kiriya-walk

 最近、私はいちごの腰回りの事が気になっていた。廊下の先の彼女を見続けることはできず窓の外へ顔を背ける事しかできなかった。最近、制服にバリエーションが増えてクリーム色のカーディガンが選べるようになった。スターライト学園の景色が一瞬、普通の女子校のようにも見える事がそれからあった。私たちのこの空間は、外の世界との窓でもあるが、私たちの空間でもある。物語のように桜は咲き、風が窓から入り、ストーリーを…

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kiriya holiday

     手前と後ろと、気配だけ頭において玄関をくぐる。起きてこないいちごは置き去りにして、休日の午前10時がはじまる。彼女の部屋の窓からも、新緑の深い緑の白い光が差すから、彼女の介護はそれに任せることにする。玄関から出ると強い光が上から射してきた。駐輪場まで小走りでかけた。駅まで約10分、無言で駆け抜ける、下り坂に海が見えるこの街は相変わらず美しいとおもった。真夏の光は白く、私の着ているTシャ…

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Day1

 木の間を抜けた先にいた彼女は、私と同じ時間を生きてくれるような気がした。  「湊、みおさん?」「はい」  「ペンギンカフェのデリバリーです、」  宅配の注文主のその人は少し傾斜になった場所に座り、私も彼女の横に座った。  「ご注文のトマトバジルチーズのサンドイッチです」  カゴに入った注文のサンドイッチを手渡す。  「これ、一緒に食べよっか?」  彼女がそう言って、さすがに私も困…

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